技術士試験合格のための3要素

筆記試験の添削やアドバイスを行っていると、半数の方が「どこを(何を)、勉強すれば合格できますか?」と質問されます。私は、常に以下のように答えます。

1)専門科目合格に必要な専門知識が40%。

2)それを答案に書き込む文章表現力が30%。(国語力)

3)専門的なエンジニアとしての視点・見識が30%。

です。(割合は大雑把です)

順番に解説しましょう。

1)の専門知識は、業務経験によって培われた専門知識と学校で学んだ知識、さらに自ら学習し本で学んだ知識を含みます。この中で、業務経験から学んだ経験と知識は他の人には分りません。あなただけのものです。ユーキャンに技術士2次試験講座がないのは、ここが重要だと思っている人が多いからです。

 確かに、経験を積んで得た専門知識は重要です。私も40%はそこが占めると思っています。しかし、あくまで40%です。だって、これだけで受かるなら仕事熱心なエンジニアは皆んな合格するはずです。残念ながらそうではありません。他の二つの要素が不足していると技術士にはなれません。

2)文章表現力は、論理的思考力と言い換えても良いと思います。または、国語力です。現代社会のエンジニアは、自分の考え、アイデア、提案を口頭だけで伝えることはできません。必ず、文章で表現しなければならないのです。メール、企画書、報告書、論文等です。特に、高度な技術に関することではなおさらです。技術士は、科学技術に関する高度な研究、計画、設計、分析、評価、試験、またはそれらの指導を行う人です。指導を行う人が、人に伝える文章を書けなくてどうしますか?

 人によっては、「技術士試験の半分は国語の試験だ」と言う方もいますが、私は30%は国語の試験と思っています。容易に伝わる文章を作成する力、技術士にとって必要な要素です。また、この能力は、繰返し練習することで誰でも身につけられます。技術士試験では決して、芸術的な文章を求められているのではありません。伝わる文章、理解される文書が求められているのです。

3)エンジニアとしての視点・見識は、自分が何の専門家であるかを意識しているかどうかです。例えば、このWebサイトでは、各部門のキーワード集というページを作って公開しています。その中で、森林部門のページには「カリウム」というキーワードがあります。カリウムは物理や化学で習う物質名、元素名です。この言葉を300文字で解説しようとして、物理や化学の参考書を持ってくるのは「森林部門」のエンジニアとしては失格です。

 森林という空間・地域の中でカリウムはどのような意味を持つのか、それは物理や化学を勉強しただけでは分らない、森林部門の技術士が持つカリウムに関する見識があるはずです。試験で問題文中にそのような言葉を見つけたとき、そのキーワードの持つ意味をどれだけ自分の専門領域から考えることができるか、そこがしっかりしていると答案に深みがでて広く浅く書くジャーナリストの文章と分けられるのです。私は、この能力も30%の重要性を持つと考えています。

 

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